sweet vanilla

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ライフログ 映画や本の感想 など

パンとスープとネコ日和

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このタイトル画面、すごく好き。
鑑賞日 20.10.11〜12 鑑賞場所 おうち(AmazonPrime)
監督 松本佳奈
製作国 日本 公開年 2013 上映時間 54分×全4話
キャスト 小林聡美、伽奈、光石研塩見三省もたいまさこ、美波、加瀬亮
原作 同タイトル/群ようこ
 
あらすじ
私はなんにも前情報なく見始めて、それがすごく良かったから、今回は未記入。
 
印象に残ったシーン・セリフ
「また新しいあなたに会えるのを楽しみにしています」
「今までの自分は自分自身が不自由にしていた」
 
感想
 
体調が悪い日の夜、
ご飯を食べながら何かを見ようと思って
感情を強く揺さぶられそうな映画には食指が動かず
いかにもホッとできそうなこの作品を選んだ。
 
ただ、じんわりとあたたまるばかりではなく
少しササクレだっているというか
心になにか、小さなひっかかりを残していく作品だった。
 

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冒頭、アキコの身に起きた事々は
捉えようによっては「最悪な出来事」と言えると思う。
作中、「アキちゃんは俺たちの前で弱音を吐いたりしないよ」
と言われるとおり、彼女は弱々しい姿を人に見せない。
感情描写はほとんどない。
彼女は起きたことを粛々と受け止めているように見えるけれど
実際のところは何を感じていたのだろう。
 
わからない、その余白の部分に、自分の心が映されるように思う。
 
そして、一見「最悪」にも見える出来事は
アキコの人生の転機となっていく。
いや、彼女自身が、転機と「した」のだと思う。
胆力がある人だなあ。
 
自分が今、体調不良や諸々の事情で転職を考えていることもあって
なんだか、物事は、一面から見ただけじゃ何もわからないな、と改めて感じた。
すべての出来事に、意味を与えているのは自分だな、とも思う。
 

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お坊さん役の加瀬亮、佇まいが美しかったなあ。

この作品を見て感じたことを、端的に言葉にしたら

「もっと自由に生きてみてもいい」

「色々な人生があって、それぞれ素晴らしいよね」

といったことになるのだけれど、

でも、そんな簡単な言葉に纏めてしまうのが、すごく勿体ないなと思う。

 

景色を見て、「きれい」と言葉にする前の、形になる前の気持ちとか、

自覚するのも難しいくらいの、ほんとうに淡く淡く浮かんでくる想いとか、

そういう繊細な「なにか」をたくさん感じられる作品で、本当にとてもすき。

 
好きなキャラ
全員好き。
特に好きなのは、しまちゃん(伽奈)とスダさん(塩見三省)。
 

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しまちゃんとゆきちゃんが並んで歩いている姿は、どーしても百合フィルターかけて見ちゃう。てぇてぇ。

しまちゃんの纏っている独特の空気がどうしようもなく好きだなあ。

彼女は植物が好きだと言うけど、しまちゃん自身が植物みたい。

きれいな水をたっぷり吸収して、静かに息をして、生きてきたのかなあ。

 

でも、周りの人が「しまちゃんってこういう人よね」と言うのに対して

しまちゃんはいつも「そうなのかなあ」って、

よくわからない、という反応をしている。そこがすごくいい。

だから彼女が「植物みたい」というのも、ひどく勝手な感想なんだな、と気がつくことができる。

人は誰かのこと、見たいように見ることしかできないよな。

しまちゃん自身は自分のこと、どんなふうに思っているんだろう。
 

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そしてスダさん〜〜大好き〜〜〜!

優しくてちょっと湿っぽい色気があって・・・(好みの男性なのでフィルターがかかっています・・・)
私もスダさんとお食事したいけど、きっと緊張しちゃってうまく食べられないなあ。
そして「こんなおじさんに緊張してどうするの」って笑われたい・・・。
恋人じゃなくて親戚のおじさんくらいのポジションでいてほしい・・・愛妻家で奥さんに頭上がらないと尚いいな・・・。
 
(妄想失礼しました)
 
メモ
原作を図書館で借りて、期間内で読み終えられずに返した記憶がある。
また今度、ゆっくり読みたいな。今度は買おう。